古文読解のコツ
1.古文を攻略する近道
古文って、実は非常に簡単です。僕は何度も言っていますが、古文は訳が分かれば全員満点が取れます。疑うのであれば、1度、訳を見ながら問題を解いてみてください。
一方、現代文は最初から現代語で書かれているのに、それを読んでもなかなか満点とはいきません。なぜでしょうね笑
それだけ古文の内容は易しいということ。
では何が、古文を難しくしているのかというと、それは、古文独特の「読みにくさ」です。
今では使わない言い回し・言葉・文法、こういったものが原因です。しかし、原因が分かったならば対策は簡単です。
以下、満点への近道を見つけていきましょう。
1.1音読(読む力)
古文を攻略するためには、まず音読です。音読をすることによって、古文独特の表現・言い回し・音と音のつながり等がつかめるようになります。これを繰り返すことで、古文の言い回しになれると、古文単語の中でも、現在と意味が違うもの、同じものが区別できるようになります。文法問題などは、単語に区切って活用形を明かにして、助動詞などを判別し、問題を解くと思いますが、なれると、調べようとせずとも、意味が分かります。「完了の助動詞『り』」だなとか、「受身の助動詞だな。」と言うことが分かるのです
よく皆さんが「に」の識別、「り」の識別といった識別をいくつも覚えていますが、私はこういうの1度も覚えたことはありません。何度も古文を読んでいるので、見ただけで、「副詞」だなとか、「断定」とかが分かるのです。これは私の頭の性能が良いわけではなく、単純に“慣れ”です。
そして、慣れるためには音読が重要なのです。
音読の仕方
最初に訳を見てかまいません。2回~3回くらい全訳を見てください。そして、頭の中に、お話のイメージがあるうちに古文を読んでください。すると、ある程度、話が分かった上なので、読みやすいと思います。
このときに、現代語訳を真似て自分現代語訳をしてみてください。同時翻訳のように。また、このときに何か目標を持ってその目標を意識して読んでください。
たとえば、文法(助動詞など)を意識して読んでみるとか、してみてください。
1.2単語力
古文は音読を除けば7割単語です。とにかく単語力です。
文系の人は600語が目安、理系の人は400語が目安です。英語の4000語~6000語に比べれば、10分の1程です。しかし、似ているからか、覚えにくいという人がいますよね。
古文単語の覚え方のコツは、漢字で覚えることです。
例えば、「さうなし」意味は、「すばらしい」とか「ためらわない」という意味がありますが、漢字で書くと、「双無し」と「左右無し」の2つがあります。
「双無し」・・・「双」は2つという意味。つまり2つとないので、この上ないもの、すばらしいものという意味で、「すばらしい」です。
「左右無し」・・・進む方向に左右に道がないと考えると、悩まずにまっすぐ進める。だから「ためらわない」
このように、漢字で覚えることは非常に有効です。ひらがなで書かれた言葉は変わりますが、が、漢字の意味は昔も今も変わりません。
1.3文法力
古文は音読を除けば7割単語、2割5分文法です。
動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の活用は完璧に覚え上げる必要があります。そうしないと、文法の微妙な表現で、完了の「ぬ」なのか打消の「ず」なのか、意味を取り間違えることがあります。
ちなみに、英語が苦手な人、古文の文法を理解すると、英語の文法が分かるようになってきます。どちらも同じ「文の法則」ですから、当然と言えば当然ですが、古文の文法をしっかりと理解するようになって、私は英語の文法が理解できるようになりました。
ちなみに、助詞も覚えましょう。
理系でも少なくとも格助詞はどんなものがあるか、接続助詞にはどんなものがあるか、助詞それぞれにどんなものがあるのかということは完璧に暗記しましょう。
を知っていれば、文法問題で助詞が問われても、スパッと切れますから。
文系は意味もある程度覚えておくことが望ましいです。また、願望の終助詞も「他者願望」なのか「自己願望」なのか「状況に対する願望」なのかということまで知っておきましょう。
1.4古文常識
古文は音読を除けば7割単語、2割5分文法、5分古文常識です。
私自身もあまり重要性を感じることはありませんが、知っておくことで、話のイメージはつかみやすくなります。単語や文法がある程度仕上がったら覚えていくと良いでしょう。量としては、普段学校の授業で先生が小噺的に説明したことを覚える程度で良いです。
古文常識をのおすすめ参考書は?
これも、なんでも良いです。笑
強いて言うなら、「マドンナ古文常識」なんかは有名ですね。これで十分です。
古文常識の覚え方は
単語を覚える時のようにガチガチに覚える必要は絶対ありません。
コツは、「流し読み」です。本を読むときのようにサラッと読んでください。覚えたか不安な人はその分時間がある時に2周目3周目と回数を重ねていきましょう。自然とあなたの感覚の中に浸透していきます。
2.古文の読み方
2.1主体判定
受験生を全体的にみて、古典が得意という人は「絶滅危惧種」です。ほとんどの子は古典が苦手で「内容が分からない」とか、「誰の動作か分からない。」と言います。その主な原因は主体判定がうまくできていないからです。
私が受験生の時にセンター過去問を大量に解きまくって見つけたルールを含め、紹介します。
①「(人名)、~」と続く場合、その分の主体者はその「(人名)」
これはそのままです。説明は要りませんね。
②「動詞の已然形+ば~」は主体が変わりやすいよ。
「~て」で文が続くときは、主体は変わりにくいよ。
これは聞いたことがある人もいると思います。
しかし、これではまだまだ不十分です。私はもっと踏み込みます。英語をヒントにしましょう。
英語では、第4文型の文を第3文系に書き換える際に「give型動詞」と「buy型動詞」を意識しませんでしたか?
じつは、これがいいヒントなのです。
「動詞の已然形+ば~」で主体が変わるとき、その動詞は「give型動詞」です。逆に、「動詞の已然形+ば~」で主体が変わらないとき、その動詞は「buy型動詞」なのです。
「~て」の場合は、ほぼほぼ主体は変わりません。
しかし、変わる際は上記のように、「give型動詞+て」の場合です。
これに関しては、読み進めながら、途中「あれ?」っとなったところで、「give型動詞、を意識して振り返って探してみてください。
かつて1度だけセンター試験で出ています。
ちなみに、このことを踏まえると、「言う系の動詞の已然形+ば」の場合においては確実に主体が変わります。
また、「言う系の動詞」とは「のたまふ」などの尊敬語や謙譲語などもOKということです。
古文の世界では、「何かを言った」ということは、これを聞いてまた別の人が行動を起こすので、会話文と解釈します。
もちろん中には「独り言」もあるでしょうが、その独り言を誰かが聞いて、その誰かが何か行動を起こすので、主体が変わると思って結構です。
このこと自体は全く難しいことではなく、どうかすれば、今から文章を読むときにもすぐに使えそうですよね?
ぜひ、使っていってください。
